わらだみつえ
今朝は朝一番で福岡市博物館に娘と出掛け、ボルドー展を観ました。「月の港」と呼ばれたボルドーは、三日月形に湾曲しているガロンヌ川沿いに発達した地域です。ワインをはじめとするアンティル諸島の植民地で生産された砂糖やコーヒーなど植民地から買い入れた商品をドイツやオランダの諸都市に売る中継貿易によっておおいに繁栄した街です。でもその土台には奴隷制度などの犠牲がやはり根ざしていますね。相反する様々な街の名士たちもそののちのフランス革命の恐怖政治により、倒れたと記録されています。ドラクロワの迫力ある油絵(火災で一部焼けている「ライオン狩り」の絵など)も、大きなポプリの壺も、数々の肖像画も、きらびやかなティーセットも、歴史の数々を静かに現代の私たちに語り続けているように思えます。それにしても、朝10時の博物館、すでにたくさんの人々が集っていることに驚きました。前を歩く杖をついたおばあさまが一生懸命鑑賞している姿にも感銘を受けました。