薔薇の頬


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Name さく
Re:さくさん

追憶


また、美しい五月が来る
わたくしの近親者の多くが、五月に死去している
そのせいだろうか?
わたくしは塞ぎ込んで追憶した眼差しになっているらしい
わたくしの死も近い
人は、草があれば生きていける
死んでからは雨ばかりだ
雨がわたくしのミルクなのさ
氷河期の君たちへ永遠の敬礼を
 MailReDel
Name さく
Re:さくさん

サマーセーター


悲しい幸福、そんな日にラヴェルのボレロは鳴り止まない
乳房の無いトルソーは、闇の世界からの告白の声
少女の肌に柔かいサマーセーター
風のささやき
何が有ったのか、すすり泣く
ライラックブルーは、あなたに良く似合う
藤椅子に座リ推理する横顔に翳が写りゆく
ミネルヴァの梟は有ったのだ
神の告げる夕べ
ストーリーは解読された
ベンチでは、もう秋の風
私のくちびるは首筋に
ラヴェルのボレロは鳴り止まない
 MailReDel
Name sakutaro

ユダヤ人たち


それは、わかっていたことだった。

国務長官のハルと臨時大使の野村吉三郎との交渉はすぐ決裂し日米は開戦した。

現地に残った通訳の来栖三郎はハルになぜ側近をユダヤ人で固めているのか?なぜ、強行なハルノートを日本に突き着けたかを尋ねてみた。

すべては大統領の指示であると言う。

囮の可哀相な真珠湾艦隊は全米から集結したが、その目的は出鱈目だった。

日本はダミーの真珠湾を襲い、それ以後の日本のスポークスマンは軍人以外は忌避され、それなりの軍事国家になった。

アメリカの大統領は勝利を確信していた。

もともとはユダヤ人たちの設計ではないか?
勝利の結果はユダヤ人だけの国家の設立、アジアアフリカの植民地は消えて、ユダヤ人顧問団がそれを支配する事だった。

ユダヤ人の戦争は終わり、もともとのユダヤ国家のアメリカが世界を支配した。

しかし、イスラエルという新国家が成功したとは言えない。誇り高いパレスタイン王国は頑強に抵抗した。

きのこ雲のない第三次世界大戦になった。

まもなく、第五次世界大戦が始まろうとしている。そこの日本人!そんな大戦は知らないって!
 MailReDel
Name sakutaro

ちひさなもの


桜の花が散る
ちひさな花びらが散る
ちひさなあなたが花びらに乗り消えてしまひませんやうに
 MailReDel
Name sakutaro

落葉の逆襲


樹木は冬眠に入る
葉はまた来年、茂る

今年、日陰をこしらえてくれた老いた葉はもう要らない

樹木から切り離された葉は即ち死を意味する
落葉と呼ばれる

落葉は土を肥やす

落葉を火葬するエネルギーは秋の稔りを焦んがりと焼いて生を終えていた時も有った

今はナマゴミとして市役所の焼却炉で生を終える

落葉は配水管の詰まりの元凶として公園でもきれいに廃棄される

人が生きてゆく為には都市は必要だろう

やがて、都市を造る作業は人の手を離れて、役所の仕事となった

税金の余った役所は人の住めない都市を造っていく

税金の乏しくなった都市はそれを維持する事も出来なくなる

高層ビルは墓石のようにいやそれ以上に放置されてゆく

もう200年もすれば森に帰る

落葉の執念深い逆襲
 MailReDel
Name sakutaro

ハンカチーフ


高校生にしては小さな少女が草原に佇んでいた。まだまだ、日は傾かない。

少女は自分の体の中で起こった変化に戸惑うているようだった。

私はこの草原の落日を描く為にキャンバスに向かっていた。

少女は一枚のハンカチーフを放って走り去った。

私はその日の風景画に赤いブレザーの少女をしっかり描き込んだ。
 MailReDel
Name sakutaro

アリゾナの女


グランドキャニオンつまり岩だらけの街
銅と綿花の街。飲むのは、カリフォルニアワイン

住むのは、インディアンとヒスパニック

なに、もとはメキシコさ。サボテンばかりの砂漠の風景
Ponderosa Pineは有るがね

やばいぜ、ヤヴァパイ族。 インディアン・カジノで生きる町

フェニックスのように女はタフに生きていた。
もしアリゾナ州が独立した国であれば、
ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ニュージーランドよりも強いのさ。

女は強がって、言う。

国際電話の中で、あるはずも無いアリゾナの滝がいつも背景に流れていた。

女は強がって言う。
風呂に水を入れていると。
アリゾナにも水道は有りぞな。。。
 MailReDel
Name sakutaro

レクィエム


長い首とアーモンドのような目
色白で撫で肩の少女に出会った

鮮やかに過去の記憶が蘇った
それは逝った過去の恋人だ

オルガンがまだ響いている
 MailReDel
Name sakutaro

十月


十月に秋晴れ無くて馬肥ゆる暇さへ無くて秋雨の続くばかりぞ、初紅葉待てど暮らせど道元忌、無事に過ぎたる。

稗粟は高黍にして間引菜にせんと思へど鬼灯も赤く咲きたる。秋茄子に胡麻ふりかけて生姜なき真菰の花よ。

菱の実を吾亦紅とぞ思ひけるかな。
 MailReDel
Name sakutro

バラード


あなたの為のローズの小瓶
薔薇柄のカーテン
開けたままでいましょう
五月の風が小瓶を割り
部屋一杯にバラの香が匂う
 MailReDel
Name sakutaro

若者たちの為のアリア


ここにかつて「日本」という国が存在したこと。
それだけは伝えてくれないか?

楼蘭のようにだって構わない。
存在したこと。
それだけは伝えてくれないか?

ただ、それだけでいいから・・・・
 MailReDel
Name sakutaro

落し物


落し物が見つからない。
何を落としたのか?

それが判れば見つかるのだが。
見つかる気がするだけかもしれない。

最初から無かったのかも知れないから。
 MailReDel
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