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有紀&吉岡手作り婚

氷点下8・5度。無数のロウソクの光に包まれた銀世界が目の前に広がる。粉雪が深々と降り注ぐ野外の特設チャペルで、2人は誓いのキスを交わした。「北の国から」では結婚を決めた時点で終わっていた2人の恋愛ドラマは、幻想的な光景のもと完結を迎えた。吉岡はタキシード、内田はあこがれだったアニメ映画「ルパン三世カリオストロの城」に出てくるヒロイン・クラリスと同じ純白のドレスで式にいどんだ。親族、友人、共演の田中邦衛(70)、いしだあゆみ(54)、竹下景子(49)、岩城滉一(51)ら約50人の出席者が2人を見守る。“息子”の門出に田中は「心からおめでとうと声をかけたくなった。外で雪が舞う中で静かに2人のほのかな愛が舞っているように見えた」と声を詰まらせた。ドラマの一幕のような幻想的な挙式は倉本聰さんが手掛けた。11日のオープンを前に、特別開放された富良野プリンスホテルの中庭プール上に、主宰する「富良野塾」の塾生たちと約1か月かけてチャペルを設営。プールの水面、チャペル前方の小高い丘に無数のロウソクを灯した。新郎新婦にも直前まで演出プランを知らさせてなかった倉本さんは「自分の作った登場人物が一人歩きをして本当の愛になってしまったということが感慨無量です。美しかったです」と目を細めた。「今日の喜びを心にとめて日々の小さな幸せを大切に家族のきずなをはぐくんでいきたい」(内田)。「何よりも雪の中での挙式という彼女の夢が1つかなった事がうれしくみなさまに感謝します」(吉岡)。2人の目に涙はない。雪のシャワーを浴びながら、愛のきずなを確かめ合っていた。