1 文彦◆oJKe

目の前を毛虫が横断していた

なかなかに大きめの毛虫だ。
一瞬、踏み潰してやろうと思ったが、こいつもいつかは美しい羽をはばたかせるのだと思うと、見過ごしていた。
しかし死ぬまで毛むくじゃらのウネウネした姿の生き物であったならばためらいなく蹴り飛ばすであろう。
いつかは羽を使って空を飛ぶといってもボウフラなどは別だ。奴等が蠢く水が入った容器には洗剤を注入してやるに限る。