1 無名さん

友光賢二郎 他界

友光が親のクレジットカードを持ち去り近所のペットショップでハムスターを183匹も爆買いして自分の部屋に放しスッカリ癒しの空間にしたのはよかったもののその繁殖力はすさまじく半年で五倍以上の数に増えたというのです。
肝心の友光は飼って以来。部屋から一度も出ず、増えたハムスターを捕食して生き長らえていたようだが、ある日父親がいいかげんにしろと言わんばかりに友光の部屋を開けたところ、信じがたい光景が広がっていたというのです。
友光の体はハムスターに喰われ肉体は所々穴だらけのズタボロ状態で確認するまでもなく死んでいるのがわかりました。
友光の哀れな死骸はもとより友光やハムスターの大量の糞尿やそのニオイにくわえ、それに群がるハエやウジの大群が父、友光啓二を驚愕させました。
ハムスターはおよそ2000匹ほどに増えておりドアを開けるなりそれらは勢いよく外に飛び出し野生化しました。
時間をかけて友光の血肉を存分に食した獰猛な肉食ハムスターの体毛や体は禍々しい真っ赤に変色しており、人々はそれを「トモミツハムスター」と呼ぶようになり、現在は岡山県内の某森を完全に占拠して蟻の一匹すら生きることの出来ない恐怖の血の色のハムスターが群がる戦慄の森と化しているそうです。