田代まさし被告芸能界はあきらめた

覚せい剤取締法違反などの罪に問われた元タレントの田代まさし（本名＝政）被告（４８）の第２回公判が１７日、東京地裁（上岡哲生裁,判長）で開かれた。公判で田代被告は、芸能界からの引退、夫人と離婚する考えを述べた。親族さえ見放しつつある厳しい状況にも、法廷でﾍ場違いなギャグを飛ばし、更生を誓ったその言葉は弱々しく響くだけだった。
　青白く生気のうせた顔。薄くなった頭髪を刈り込み、うつろな目の田代被告は白地に黒模様のトレーニングウエア、サンダル姿で入廷した。
　「芸能界もあきらめ、家族もあきらめ、普通に働く。普通の社会人、田代政に戻ることが応援してくれた人、迷惑かけた人に恩返しになる」そう言って更生を誓ったが、２度目の薬物絡みの逮捕では厳罰は免れそうにない。自ら「実刑は覚悟している部分はある」と肩をすくめ「刑務所は初めて行くわけで…。自分を見つめ直し、鍛え直す。その気持ちを忘れずにやるしかない」とうなずくのが精一杯だった。
　状況は極めて厳しい。弁護側が情状証人を要請した実妹は出廷に二の足を踏むなど、支えになるはずの親類からも見放されつつある。加えて「うつ病のようになってしまった」という夫人には、連絡さえ拒否されている。
　公判中、薬物との出合い、転落した人生をとつとつと語ったが、薬物中毒との報道にだけは「全然、そうではない」と語気を強めて否定。それとは対照的に、最後に裁判長から「（薬物を）買いにいかなければ、やることはなかったのでは？」と、たしなめられ「ちょっと遠くに蛇口をひねりに行っちゃった感じ」と場違いなギャグで返した田代被告。芸能界引退を宣言したが、未練は隠せない様子だった。
　次回公判は来年１月２７日に同地裁で行われる。
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