65 名無しくん
日精上人の件は時代が時代であり、日精上人が邪宗の出身で、そういう先入観を持ってもしょうがないということ。
『有師聞書注解』なる文書ですが、思い当たる文書がありません。
『有師化儀抄註解』(富士宗学要集1巻)という文書があります。この場合、9世日有上人の化儀抄に、59世日亨上人が註解を加えたものです。ただし6座・7座等についての言及はないようです。次に『有師物語聴聞抄佳跡』富士宗学要集1巻という文書もあります。これは日有上人の聞書(日有上人の御指南をどなたがが筆記され、大石寺に伝承されていたもの)について31世の日因上人がさらに御指南を加えられたものです。この中にも6座・7座等についての記述はありません。 富士宗学要集1巻に保田妙本寺日我の『化儀秘決』があり、そこには6座の勤行様式について説明されています。ただし、妙本寺日我の著した『化儀秘決』ですので、房州保田門流の化儀について記されたものです。妙本寺を開いた日郷師は元々大石寺に居た方ですので、大石寺と全く関係ないかといえば、そうではありませんが、とらわれる必要はないと思います。因みに保田では諸堂の配置などによって変遷があるようですが、基本的には初座:天拝、二座:本尊堂回向、三座:御影堂回向、四座:鎮守(天下泰平)の回向、五座:歴代への回向、六座:精霊回向という形態で勤行を行っていたようです。(要集1巻276頁参照)
また同じく保田妙本寺日我の『年中行事』には「五座七座」という記述があります。それには、「檀那座功を以て大儀と為し供養をいかめしく思ひ法力を軽する間、是れになぞらへて或は五座七座などよむなり」(要集1巻334頁)とあります。
この場合の「○座」というのは、御経を一回読むことを「1座」と数えるもので、勤行の形態を表現しているものではありません。
つまり、御祈念を願い出てきた信徒の中で、御経の回数にこだわる信徒のためには、五回、七回と御経を読むこともある、ということを述べているものです。