81 名無しくん
このように、池田のみっともない秘密を隠し続けられる神経を持った医者は、そうざらにいるわけではない。世間に知られては困るトラブルの処理に、Iさんをはじめとする、口の堅い医者を当ててきたわけだ。
Mさんも、そういった意味での貢献度は高い。第一庶務室長でありながら部下の女子職員と不倫を起こしたM・TさんとYさんが、中絶のため出向いたのも、森田のところだった。
下ネタの他にも、池田が人目を忍んで医者を侍らせる理由がある。「病気に
なるのは信心がないから」と池田がおかしな指導をし続け、「病は信心不足から」と自分がいっている以上、まさか、その本人が病気がちで薬漬けだと世間に知られては、恥をかく。池田は体の強い方ではない。しょっちゆう、学会本部4階の池田専用室に医者を呼んで注射をさせる。
池田は注射が大好きである。ただ、池田の血管は細く、また贅肉がぶ厚いため、なかなか針が血管に入らない。医者が、汗だくになった池田の腕に、針を刺そうとする。池田はいい気なもので「早くしろ、早く!」と急ぎ立てる。また、池田はしょっちゆう目の痛みを訴える。耳鼻咽喉科の佐藤を呼びつけるのだが、目の痛みに耳鼻科の医者とは、はてさて?
明らかに、病気を世間に知られたくないためといわざるをえない。