柔軟心(にゅうなんしん)

柔軟心ということばは、
禅宗曹洞宗高祖:道元禅師様の書かれた『宝慶記(ほうきょうき)』
という本に出てきます。
こころがやわらかいということです。
こころがやわらかい、ということは、
一切の先入観に
ひっかからないということです。
損得、勝ち負け、善悪など
人間の相対分別的な考え方、
言い換えれば、人間の常識的な、
価値判断を一切やめて<物のありよう>を
<そのものそれ>として
あるがままに見ることです。つまり、
真実を真実として素直に見ることです。

例えば、花を１つ見るにしても
「この花、なかなかきれいだけど、
いくらしたかな」などと
すぐにお金に結びつけたりします。
高いとか安いとか考えるのは
人間の分別知識です。
花そのものには全く関係ありません。
人間はなかなか素直に見られない。
すぐ何かにひっかかります。
やわらかいこころで見られない。
なかなか柔軟心になれません。
若竹のようなやわらかいこころを
持ちたいものです。