2 羽賀けん痔◆ELo7
続き…。


加藤は、かなの中にある何かの蟠りが気になった。
『オレでよかったら、話聞くよ?』
『ありがとう。優しいのね!でも、また泣くかもしれないから…』
まだイッてない加藤にとっては、それまで風俗嬢=性欲を満たす道具だったが、彼女達に初めて一人の女性としての人間性に興味を抱いた瞬間だった。
よく考えてみたら、好きでもない男達の下の世話してるワケで、性に対しては人一倍嫌な思いをしてるハズだろう!無理矢理な強姦まがいな事、ヤ〇ザに脅かされたり、時には暴力的な客も多々いただろう。
普通に考えたら、男性不審や対人恐怖症になってもおかしくない。
でもそんな彼女達も人として恋愛は経験してる。
そう思った瞬間、自分の今までの間違った考えを反省すると同時に、彼女の中にある悲しみから『かな自身』を解放させてあげたいと思った。
『今夜はもう上がりなよ!一緒に酒でも飲みながら、語ろうぜ。腹も減ったし。飯なんか一人で食うより二人で食った方が美味いよ』『うん。ありがとう』
こうして加藤はかなと二人で、夜の歌舞伎町を後にした。
B'zのBATCOMMUNICATIONのイントロじゃないが、『キスは交わしたけど、名前も知らないIS・IT・LAVE?それとも?』後にどうなるかはわからなかったが、少なくともこの段階でお互いに恋愛感情はないけども、ひかれあう何がある事は言葉にしなくても互いに分かっていた。例え、仮想恋愛に過ぎなくても…。


次に続く。