86 どらえもんとのびた
日本は島国だから、普通に生活していると周囲の視線を感じにくいが、欧州人にとって日本人こそ脅威と畏怖の対象なのだそうだ。まあ、この150年で日本が世界の末席から瞬く間に欧州を駆逐し凌駕すること二回、彼らの言うところの『奇跡』が起きている訳だから、畏れを抱くのも無理なからぬことだとは思う。

彼らにとって極東の地においては華僑以外の中国などは最初から眼中になく、彼らに敵し得るのは日本だけなのだから、中国がいかにスポーツで勝利しても脅威を感じず、日本はスポーツでさえ勝利すると我が身を脅かすものとの認識が働く。日本が勝利することに異様なまでのアレルギー(これはもう呪いと言っても差し支えあるまい)があると言ってもいいだろう。イギリスの一地方軍の軍門に易々と下った中国(清)よりも、世界を相手に対等に戦った日本の方が遥かに脅威なのだ。また中国が勝利しても世界はたやすく動かないが、日本の勝利は過去に世界が『白人の敗北』と受け止めた歴史があるため、反白人勢力の旗手の勝利は、断じて認められない訳だ。
スポーツにおいて、もう数百年は日本にとっての受難が続くだろう。
そんな『世界』と戦ってきた選手たちが帰ってきたときは、暖かい拍手を以て迎えたいと思う。