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1 無名さん

友光賢二郎 無常の風と共に

友光賢二郎の頭部に豆粒サイズのイボのようなデキモノが出来たものの、本人は全く気にする様子がなく、二週間ほど経つとなんと野球ボールほどの大きさまで膨れ上がり、それから約一ヶ月後にはダチョウの卵のような大きさにまで肥大し、家族からは病院に行った方がいいと言われたものの賢二郎は「これだッ!これこそが次代の先端を往くナウでトレンディなニューファッション!デキモノファッションなのだっ!そうだ、今、俺様は世の先駆けとなっているのよ!グヒャヒャヒャ〜!」と高笑いし、頑なに拒否し、家族ももしかしたら自然に治っていくのかもと楽観視するようになり、それからますます巨大化してある日の夜に悲劇は訪れたのです。
賢二郎の部屋から「ひ、ひ!ひぃでぇぶぅぅう〜〜ッ!!」という異様な悲鳴の後にグチャグチャグチャアッビチャッというグロテスクな鈍い音がしたので家族が急いで賢二郎の部屋に行くと賢二郎の頭部がなくなっており、周囲には水風船が破裂したように部屋のいたるところに鮮血が飛び散っており急いで警察を呼び、現場検証を行ったが事件性と呼べるような証拠はなく、賢二郎の頭部に出来ていたデキモノに膿が詰まりすぎて破裂したという結論に至り、古今例のない死因に医者も驚愕し、頭部にデキモノが溜まり破裂して死亡する病の名を「お前はもう死んでいる病」と名付けたそうです。