1 無名さん

友光賢二郎 昇天

友光賢二郎が野良鈴木福に殺害されたようです。野良鈴木福とは、日々岡山県内を練り歩きまくる、推定年齢およそ20歳前後の住所を持たない男で、かの有名子役の鈴木福くんとは全く関係がないものの、その人相は鈴木福くんそのものと言っていいほど酷似しており、驚くべきは身長が2m50cmを越えているであろうという長身で、おまけにかなりの筋肉質で常に上半身裸で、赤いボクサーパンツを穿いているという某有名プロレスラーのような風貌を醸し出していることから「ジャイアント福くん」「福馬場」「進撃の巨福」というあだ名で呼ばれることもしばしば。
なぜ住所を持っていないのかと訊かれても、地球は家、宇宙は庭、ということで、この地球上の大地の全てが安らかな寝床であり、海は風呂であると言うだけで、個人的な情報は教えてはくれません。
身体能力も相当なもので、時速90kmの速さで走り、そんじょそこらの二階建てのアパートを飛び越える脚力も持ち、腕力もゴリラをゆうに凌ぐほどで、おばあさんからバッグをひったくったバイク男を捕まえ、おしおきとばかりに背骨を板チョコを割るがごとくバキッと骨折させ、即死に至らせるなど善悪の判断も出来るとのこと。
2 無名さん
アメリカのバスケットチームやその他諸々のスポーツ業界からのスカウトが来ても「テレビに出て金をもらうなど欲の塊の浅ましい人間のやることだ」と頑なに拒んでいる様子。
しかしどんな爽やかな英雄に対してもねたみを抱く暗い人間はいるもの。
野良鈴木福の噂を聞き付け、あの男がボソッと物騒な独り言をこぼしたのです。

「はれのくに、おかやまけんないで、このおれさまよりもめだつとはつみぶかきおとこ。ころしてやる」

その男の名、友光賢二郎

友光賢二郎は岡山の某海岸で野良鈴木福が睡眠を摂っているという情報をたよりに真夜中にその場所に行ってみました。
イビキを掻いて寝ている野良鈴木福の姿は確かにありました。
友光はホームセンターで買った肉切り包丁を片手に忍び足で野良鈴木福のもとに近づき、手が届く位置に立ったところで

「ひゃっひゃっひゃっひゃ!ウヒャヒャヒャヒャ!くたばれーーっっ!!」

友光は狂った声と共に野良鈴木福の喉元に包丁を振りかざしました
今まさに野良鈴木福の命もこれまで、と天が見定めたであろう瞬間
野良鈴木福はたぐいまれな防衛本能で見事な真剣白刃取りを決めて見せたのです

「きっ!きさま、ななな、なぜだ!ねていたはずであろうが!」

「だてに自然の巡り気まぐれにおのれを露にして生きておる我ではないわ」

友光は慌てて包丁を野良鈴木福の手から振り払うと、懲りずに殺害を図ります

「しねーっごみむし!!」

野良鈴木福の顔面に包丁を突きつけると野良鈴木福は素早く左手の小指を差し出し、刃は爪にあたりました

「ばかなっ!ほうちょうが、かけただと!つめごときにか!」

「さほどに我の命求むか。さほどに我の死を欲すか。誇るべきか、誇らざるべきか。
生死を分け合う機会とはいつ訪れるかわからぬものよのう。おんし、是が非でも生を愛す我に死を与えんとするか。ならばそれ相応の覚悟の上での行動とお見受けいたす。迷わずして逝くがよいわ」

所詮、友光賢二郎では野良鈴木福に太刀打ちするなど無謀以外の何物でもなかったのです。
野良鈴木福が友光の腹部に両手を突き出すと友光の腹の肉に突き刺さり、野良鈴木福が扉を開けるように両手を左右すると友光の胴体は裂けるチーズのように悲惨な姿と化してしまったのでした。
3 無名さん
(´゚д゚)
4 無名さん
げーっ!