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そして,甲17号証(佐貫修一の陳述書)によれば,妙観講の会員である佐貫修一は,平成16年6月8日,富士宮市内での本件ビラ2の配布に関与したことが確認された一審被告山本に対し,東京在住の創価学会員を装って電話を掛け,ビラの配布について尋ねたところ,一審被告山本は,創価学会の総県幹部,圏幹部,広宣部,男子部の組織を挙げてビラの配布を行ったとの説明をしたことが認められること(なお,原審における一審被告山本本人の供述中には,この認定に反するともみられる部分があるが,同一審被告は,電話の内容については覚えていないと供述するなど,甲17号証による佐貫修一の陳述内容を具体的に否定するものではない上,上記(1)の認定事実に照らすと,甲17号証の信用性は高いものということができるので,一審被告山本の上記供述部分によっては,上記認定は左右されない。)をも総合考慮すると,本件各ビラの作成,配布等については,一審被告創価学会のいずれかの組織を構成する相当多数の学会員がその意思を通じて関与をしていたものと推認することができる。
一審原告妙観講がオウム真理教等と同類のカルト教団であることをセンセーショナルに印象付け,一審原告らの危険性を喧伝するものであるとの評価を免れないものといわざるを得ない。しかも,証拠(甲1,15,16,29,原審における一審被告高橋,同佐渡及び同山本各本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件各ビラが配布等されたのは,いずれも未明から早朝にかけての時間帯であったことに加え,本件各ビラは,その作成名義人として,裏面左下隅にごく小さく「『妙観講』全国被害者連絡協議会」との記載がされているだけで,上記協議会の連絡先の記載すらない,文責がおよそ明らかでない文書であることが認められる。このような配布の仕方は,敢えて人目を避け,その作成,配布等の責任の所在を明らかにしない無責任極まりないものであって,自らの責任の下に,その意見を公益を図る日的のために表明しようとする者が取るべき姿勢とは,およそかけ離れたものというほかはない。
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そして,前記2(1)及び(2)に認定説示したように,一審被告創価学会は,その機関紙である「創価新報」において,日蓮正宗と闘争をせず,日蓮正宗に布教をさせておくこと自体が一審被告創価学会の会員にとっての悪であるとした上,日蓮正宗並びにその信徒団体である一審原告妙観講及びその代表者である一審原告大草を謀略集団などとして批判する記事を掲載するなど,一審原告らに対する批判を継続的に行っていた上,本件各ビラの作成,配布等についても,一審被告創価学会のいずれかの組織を構成する相当多数の学会員が関与をしていたことが推認できるのである。