>>28
実に興味深い比較ですね。押しも押されぬプレミアムラーメンの横綱同士のガチンコ対決です。
コンセプトは、より良い食材を使ってより良いラーメンを、願わくは最高のラーメンを、というところはほぼ共通している両者。他者を寄せ付けない雰囲気も共通しています。お弟子さんの多さも同じです。
しかし、辿り着いた終着は似ても似つかない姿となりました。同じ醤油ダレでも支那そばやはスタンダードなでやや小振りな中華系。片や永福町大勝軒は鬼の敵の様に巨大な丼で和風系。売り方も電波を使い、日本中の知るところとなった支那そばやに対して、常連を大切にするため、頑なに取材拒否の姿勢を貫く大勝軒…同類でありながら表現の違う彼らは、きっと最後まで相容れない存在なのかも知れません。

軍配ですが、麺は執念の差で支那そばや、スープは値段の差で大勝軒です。長く引っ張った割にはやや面白味に欠ける決着ですが、この決着こそが、プレミアムラーメンの本質的な欠点、つまりは採点の必要以上に辛くなってしまうというところです。プレミアムラーメンと相対する時こそ、先入観に惑わされやすくなりがちです。


両者は等しく、常に熱狂的な支持者と、偏執的なアンチの厳しい評価に曝され続ける宿命にあります。それは全てのプレミアムラーメンの背負った宿命と、言い換えることができるでしょう。