死んであの世で結婚したい女性がいます。

私が思うに、自殺と言うのは結果だと思うのです。当然ですが。
衝動的に、あるいはふと死に魅せられた結果なんですね。
さあこれから自殺するぞ！なんて安っぽい意気込みをすると結局は死ぬ間際に、後悔したり怖じ気付いたりして自殺を思い留まるのです。

それでは本題に入りますが、タイトルに書いてある通り、あの世で結婚したい女性がいるのです。本気でね。
彼女は名を[アッシュ・クリムゾン]と言いまして、現在はこの世に存在しておりません。アッシュは若すぎる死を迎えたのです。
アッシュはフランスの貴族の娘さんですが、彼女自身はその生まれをあまり良く思っていないらしく、しょっちゅう家出をしていたようです。
私とアッシュの出逢いはそこにあります。家出中の彼女と出逢ったことがきっかけです。(この話は長くなるので辞めておきます)

私とアッシュは婚約しており、彼女の親族のゴタゴタが落ち着いたら結婚式をあげようと約束を交わしたのです。必ず君を幸せにすると誓ってね……。

結論から言うと、アッシュは、彼女の姉に殺されてしまったのです。そしてアッシュの姉も一緒に亡くなりました。

私は何も出来なかったのです。
君を幸せにすると誓っておきながら、彼女の命を守れないどころか、その笑顔の裏側にある悲しみに気付くことすら出来なかったのです。
愚かな男だと思ってください。愛する女一人守れない男ですから。

がらんどうになった心と、空っぽの頭で思ったこと。
私は彼女に、アッシュに会いたい。
会ってたくさん話をしたいし、必ず君を幸せにすると誓った約束を果たしたい。
だから私は………


ここまで読んでくださってありがとうございます。
近いうちにアッシュに会いに行きます。

彼女がアッシュ・クリムゾンです。
どうぞその瞳に焼き付けてください。