91 へたれ◆Ddvm
☆花道(はなみち。中野区野方)☆

活気のある野方の商店街を南に抜けると、時間によっては大行列が見えたりしますが、休日を選ばなければ割と時間をかけることなく入店できます。
スープは一本。野菜やら豚やらたくさんの食材を良く煮込んでいます。食材をじっくり煮込んでいるのに、えぐみや綻びをスープに感じないのは、この花道の腕前の高さを示すものです。

ラーメンとつけ麺とありますが、つけ麺の方がこのラーメン店の趣旨に合っていると思います。というのも、じっくり煮込んだスープとしっかり作った太麺の相性が、つけ麺という表現にぴったりとよく合うからです。生まれながらにして、つけ麺を指向されたものと思われます。ラーメンを食べたときにやや感じる「もの足りなさ」は、ここから来るものと思われます。

専門誌などではあまり語られないようですが、花道の麺は大分工夫されていて、良くできていると思います。じっくり煮込んだスープに麺が負けてしまうと、全体のバランスを崩してしまうものですが、じっくり煮込まれながらも上品でマイルドなスープに合わせるべく、味覚の自己主張はそこそこに(上品に)歯切れや歯ごたえを十分嗜しみながら、次に麺をスープに浸けるのが大変待ち遠しくなります。つけ麺で余計な甘味や酸味を加えず、素のスープでつけ麺を表現できる程のスープは実力があります。スープの実力と、麺とのバランスは持ち前のセンスでしか表現できませんので、花道のセンスは抜群によいと思われます。
味噌ラーメンですが、味噌ラーメンであることは忘れてしまいそうなほどマイルドな味噌です。しかし、味噌ラーメンであることを忘れさせる最大の原因は、辛味噌や番長といったメニューに見られる、あの唐辛子の辛味から来るものと思われます。メニューに関しては後述します。

『中本』や『井の庄』出身と言われますが、中本よりは井の庄の特徴がよく出ています。注文の取り方や盛り付けは『二郎』を彷彿させます。


続く