7 へたれ◆Ddvm
>>6の続き
いつもおかみさんがオープンキッチンの厨房と店内を仕切る中延の多賀野は、無化調ラーメンブームの創世記を担ったお店です。今をさること10年前、中延でこの多賀野のラーメンを食べた時の衝撃は、今でも忘れられません。「ラーメンは科学調味料なしでもこんなに旨いんだ!」と最初に私に教えてくれたのは、この多賀野でした。今の人気ラーメン店の在り方(無化調、重厚スープ、魚万歳傾向、複雑化)を見ると、この多賀野に直接的間接的に影響されたと思われるお店の多さに驚きます。科学調味料を排し、天然の旨味だけで現代ラーメンの重厚さを表現するためか、サバの濃さを強く感じてしまうところが若干のノスタルジーを感じますが、最先端とはいかないまでも、十分に現役をアピールできるだけの実力はあると信じます。

しかし、多賀野の本当の魅力はそこではないのです。おかみさんの、女性ならではの気遣い気配りが、店内の至るところに感じられて、常連客を離しません。町田の雷文がスローフードなら、中延の多賀野は行列は長くてもファーストフードですが、不思議と居心地も悪くなく、ハードもソフトも素晴らしいです。


続く(^^ゞ